皆様方には、砺波信用金庫に対し平素よりご愛顧、お引き立てを賜り、心より厚く御礼申し上げます。
当金庫は、昭和4年3月1日に営業を開始して以来、皆様方のお役に立つべく地域金融機関としての使命達成に邁進してまいりました。
新型コロナウイルス禍も3年目を迎えた「令和4年度」は、新型コロナウイルス感染症の完全収束が見通せない中、ロシアのウクライナ侵攻による国際情勢急変と資源高等を要因として、デジタル対応や脱炭素と共に、「コロナ後(アフターコロナ)」に向けた経済再生の支援に踏み出していた金融界に、想定外の影響を及ぼした状況下において、政府は、コロナ支援の継続と物価高への緊急対策に続き、「新しい資本主義」の実現に向けた「人への投資と分配」、「スタートアップ育成」、「円安を生かした地域活性化」等の総合対策を展開しました。
とりわけ、信用金庫の取引先である中小企業等においても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、飲食や宿泊等の対面サービスを中心に、業況の低迷が長引く厳しい状況になりました。
次に、金融面では、地域の人口減少や中小企業数の減少に伴い事業基盤が縮小していることに加え、平成28年2月に導入された日本銀行のマイナス金利政策を始めとする未曾有の金融緩和政策の継続等、長引く超低金利政策により、預貸金利鞘や有価証券運用益を中心とした利益確保が一段と困難な状況が続きました。
また、地域経済を守り抜く役割を担う「地域金融機関」は、構造改革や経営基盤の強化に取組みながら、地域企業の持続可能性を図る「サステナブル経営の追及・実現」に向けて、事業再構築や事業承継の促進等にも対応した「支援力の発揮・強化」に注力した1年となりました。
こうした中、金融機関は、地域に根差し、今まで以上にお客様とのリレーションシップを大切に、地域が抱える課題の解決に尽力し、これまで以上に地域社会全体の成長に貢献していくこと、コロナ禍におけるお客様への資金支援に加えて、販路拡大や新商品の開発・プロモーション支援・ビジネスモデルの根本的な見直し等、取引先の収益力強化を図るための踏み込んだ支援の強化が求められています。
また、金融・非金融の両面からの地域の課題解決への取組みのための「経営力の強化」及び、デジタライゼーションの流れに伴うオープンAPIを活用したフィンテック企業との連携や、キャッシュレス決済手段と預金口座の連携などを含むコンサルティング機能の発揮による「支援力の強化」、成年後見制度による財産保護や、後見制度支援預金の取扱い及び、民事信託への取組みを通じた「高齢化社会におけるサービスの多様化」、反社会的勢力の遮断や特殊詐欺等の金融犯罪防止に加えて、国際的な課題となっている「マネロン・テロ資金供与対策」や、「サイバーセキュリティ対策」等を含めた各種リスクへの対応力を高めるための「経営管理体制の充実・強化」等を、より一層強化することが重要になっています。
このような状況の中で当金庫は、全役職員の総力を結集し、地域に密着した金融機関として、お客様のニーズにお応えし、地域経済の発展に貢献すべく積極的に業務を展開してまいりました。
その結果、預金は期末869億13百万円、貸出金は期末374億52百万円となりました。
収益面におきましては、経常利益は1億1百万円、当期純利益は1億円、本業の収益力を表す業務純益は96百万円となりました。
これは、ひとえに会員の皆様のご支援の賜物と深く感謝し、厚く御礼申し上げます。
当金庫においては、お客様本位の良質なサービスを提供し、お客様の最善の利益を図ることにより、強固な「顧客基盤・収益基盤」の確保に繋がる業務運営に取組むと共に、コンサルティング機能を十分に発揮し、地域や中小企業者等の金融円滑化への適切な対応を図り、経営の健全性を確保することが必要且つ重要であります。
このため、中小企業・個人向け貸出金の増強による貸出金利息収入の増加を図るほか、運用資産の構成の見直し、保険や国債の販売による手数料収入の獲得、経費の節減、業務の効率化・合理化を図り、顧客信頼のバロメーターである個人預金の地域シェア増加を図ると共に、国際的な課題となっている「マネロン・テロ資金供与対策」や、「サイバーセキュリティ対策」の強化に向けて取組むことに加えて、地域密着型金融の積極的な推進、「地方創生や地域活性化への取組み」、「環境、介護、医療等の新成長分野への取組み」、「中小企業者等の金融円滑化への適切な対応」、「お客様の利便性向上と持続的発展が可能な地域社会づくり」を目指すと共に、個人情報の適切な管理や、金融庁等の3省庁が公表した「経営者保証改革プログラム」に基づく「お客様への説明責任・説明義務の徹底・説明結果の記録」、「顧客保護等管理態勢の充実」、「統合的リスク管理態勢の構築」、「コンプライアンス態勢の強化」についても一人ひとりの知識を向上させ、「コンサルティング機能・金融仲介機能」の発揮等に取組むことにより、当金庫の「社会的責任・使命」をしっかりと果たし、キャッチフレーズである「共に咲く喜び」の実現に向けて、お客様に感謝し、寄り添い、役職員が一丸となり、地域に根ざした「砺波信用金庫」を築き、皆様の信頼にお応えするよう努力致す所存でございます。
どうぞ今後ともより一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和5年7月
理事長
松本 昭浩